『オシムの言葉』文庫版
オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える (集英社文庫)
- 作者: 木村元彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/05/20
- メディア: 文庫
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追加された第10章は,文庫版のページ数にして僅か45ページ。そのなかで,川口,橋本,阿部,中村憲剛,中村俊輔といった日本代表選手や,代表には選ばれなかったがオシムを見舞った宮本恒靖の証言から,オシムの日本代表が,どのようなコンセプトでどのようなサッカーを目指し,それがどのような段階に達しつつあったのかを浮き彫りにし,さらに,セルビアからの独立を宣言したばかりのコソヴォに取材して,そこで当事者のコソヴォサッカー協会会長に多民族共存の理想を実現していた旧ユーゴのオシム代表チームの魅力を語らせるという離れ業をやってのける。この10章のためだけにいったいどれだけの労力がつぎ込まれたのかに思い至ると,瞠目せざるをえない。
ハードカバーで持っている人も(私は2冊買ったが),この文庫版は買いである。